フォルマシオンミュジカルというフランス最先端ソルフェージュ教育は普段のピアノレッスンそのもの

「フォルマシオンミュジカル」という
フランス最先端ソルフェージュは
ピアノレッスンそのもの



数年前、ソルフェージュの講師として欠かせないと思い、フランスの最先端ソルフェージュ教育であるフォルマシオンミュジカルについて講習を受けました。

フォルマシオンミュジカルとは
ソルフェージュや音楽史、音楽理論を実際の楽曲を使って分析していくソルフェージュ教育の方法のひとつです。


日本では普通、ソルフェージュのレッスンというと専用のテキストを使い、項目ごとにトレーニングをすることが主ですが、このフォルマシオン・ミュジカルでは、作品を教材にして、聴音、読譜、リズム、音程練習、移調練習、楽曲分析、音楽理論、音楽史などに触れ、音楽家が身につけるべき教養を学べるようになっています。

例えば、
練習している曲の速度表示は必ず見て
指示通りにしようとしますよね。

この3つの違いはどう表現しましょうか↓

Largo(ラルゴ)ゆっくりと
Lento(レント)ゆるやかに
Adagio(アダージオ)ゆっくりと

作曲家は必ず意図して
これらを使い分けていますが

ただ「ゆっくり」と捉えていては
似た表現になってしまいます

そこで
その曲の「感じ」を「物理的に」見てみます

低い音や伸びる音が多く重々しい感じなのか
明るい曲調(長調)でゆったり幅広く伸びる音が多く跳躍が広いのか
または淡々と一定のリズムを刻んで進んでいるのか

音やフレーズの形を見たり
リズムや調性をよく見たり
時代背景を考えてみたり

これそのものが「フォルマシオンミュジカル」

いつものピアノのレッスンそのものですね


ちなみに3つの違いですが

Largoは、高さや長さ、幅が広いなどの意味を持ち、天井が高い、幅広い横の広がり、また肩幅がゆったりしたぶかぶかの洋服などもラルゴで表現するそうです。ラルゴは「遅い」の代表格ですが、幅広さや空間の広さを表すと思うだけで表現の方向性が他とは変わります。

Adagioは「心地よさ」「快適な」
「くつろぐように」という意味ももち、本場イタリア語での ad dagio 「心地いい」という意味から来ています。速さと同時に曲調も表しています。

Lentoは単純に「遅い」「ゆるんだ」「時間がかかる」という意味で、largoやadagioと違い、単純に速さが遅い、ということです。

このようにして楽譜をきちんと見て
表現の方法を考えるところまで
「ソルフェージュ」ということになります

また、拍子の感じを掴むために
参考音源にオーケストラを聞いたり
歌うように弾くための参考にオペラを一緒に聞いたり
そういうことも立派はフォルマシオンミュジカル(ソルフェージュ)のレッスンです。

また弾きにくいフレーズを実際に歌ってみて
音程が取りにいところは
簡単にパラパラと弾いてはいけない場所です。
歌いにくいという事は「そこに何かある」ということ。
半音のニュアンスや跳躍など
音楽的な何かがある証拠です。
それを見つけるのもフォルマシオンミュジカル。
ピアノのレッスンは本当に多角的です
ただピアノを弾くだけではないのですよ♪


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